わかっているかい死ぬんだよ そうお前さんもこのわたくしも

3月の言葉

わかっているかい死ぬんだよ そうお前さんもこのわたくしも

小倉玄照老師


 
青山俊董老師曰く
 会葬の方々に私は語る。
 葬儀の一つの意味は、旅立つ人が全心身を挙して、遺る者たちに語りかける一言の遺言を聞くところにある。
 それは何か。
『死ぬんだよ、アンタ方も。いつその日が来てもよいように、毎日を大事に行きなさい。』
 の一言ではなかろうかと。
 老若男女問わず、予告なし、まったなしのこの日は来る。
 いつお迎えが来てもよいような毎日、毎時間の生き方が出来た時、死者の遺言を聞き得たといえるのであり、同時にそういう生き方をすることこそが、なき人への最高の供養なんだということも忘れまい。
 釈尊も「教えに従って良き生き方をすることこそ最高の供養。」と遺言を結ばれ、八十年の生涯を閉じられた。